春。


そうか、もう3月なのだ、とコンビニに並ぶピーチティーで春の訪れを知る。まったく、季節感がない。
後ろに映り込んでいる夜ご飯はカレーうどん。おいしかった。ピーチティーの下にある机の落書きは、まだ地元にいたころに幼馴染に「なんか書いて」と言ったときのもの。
昨日はお友達が遊びに来た。感慨深そうに、座ったままきょろきょろと荷造りの進んだ家を見回す。ダンボールが2つ3つと積まれた自分の家を見回してなお、わたしは自分がここからいなくなることにリアリティを感じられない。わたしはほんとうにここでの生活を終えて、違う場所で違う空間で生活をするようになるのだろうか。わからない。ただひとつ言えることは、それは紛れも無い事実で、契約はもう終わるし、引越しの契約も出来ているし、東の地には楽しみだ、と言ってくれる人がいる。わたしはわかりたくないだけかもしれない。
たくさんの思い出があるし、わたしは4年間を過ごしたこの場所が好きだ。何よりここでの生活のなかでであったひとたちのことが大好き。寂しくなる。けれどきっと、数年後にはその寂しさも想い出になっている。生きるってそういうことなんだろうな、と思う。ピーチティーはあんまり甘くないように感じる。変わったのはわたしか、ピーチティーか。高校生の頃から大好きなこれも、そろそろ卒業してしまうのかもしれない。そう思うとやっぱり、結局は寂しくなる。