たいおん

つまるところ自分が嫌いで嫌いで仕方ないので、精いっぱい好きな自分を構築しようと、組み立てなおそうとしながら24年生きているのだろうなと思う。
でも器用じゃないから上手く演出出来なくて制御も出来なくてそれでまだ嫌になる。
辛いよ、とつぶやいて、よしよし、してくれるひとがほしいという欲望だけが今もある。
こんな夜はあなたに会いに行きたい。でも多分、今のあなたでは意味がない。嫁と子供が一番大事で愛してるなんて言い切れるあなたに会いたいわけじゃない。喪失の悲しみを隠してわたしを愛でてくれたあなたに会いたい。
もう一度わたしのとなりにいてほしい。あなたの体温が大好きで大切でたまらないから、わたしはいつも思い出してしまう。あなたがずるいからわたしはいつもあなたを思い出してしまう。
何もかもをあなたのせいにできるのは、それがすべて過去だからだって知っている。誰よりずるくてひどいのはわたしだ。
あの時ちゃんと大好きだよって言えればよかった。わたしのものになって、って。あなたがそれを受け入れるか拒むかそんなことをいちいち考えずに、あなたがほしいと言えればよかった。5年間いつも、わたしはそればっかり後悔している。大好きだよって今でもいい、言いたい。わたしにとって特別だよって言いたい。大好きなんだ。
あなたはでもきっと、すべてを愛する気持ちでしかわたしを愛してはいなかったんだろうなって、わたしは分かってる。あなたにとってのわたしは、わたしではなくて「愛でるためのなにか」でしかきっとなくて、それがわたしである必要はなかったんだよね。でもわたしはもうひとつ知ってる。わたしである必要はなかったけれど、わたしだからあなたがその場所にわたしを置いてくれたということ。だからわたしは、多分あなたを美しい思い出として思い出してしまうの。