いつか

いつかは別れようと思っている。
なんていうか、好きと面倒くさいの波が交互に訪れていて、それを隠すのにせいいっぱいで、しんどいな、と言うのがぬぐえない。でも、一緒にいて笑顔でいてくれることが幸福だと思っていて、良くない癖が出てる。
ひさしぶりに会った友人とご飯を食べている最中、思い出したかのように「そう言えば恋人が出来たよ」と告げると、「その言い方なら安心だわ」と言われた。なぜ?と問い返すと、ふと思い出したかのような重さの存在であれば安心なのだと言う。あぁそうか、と苦笑いをしたくなった。依存癖がひどいのを見抜かれている。
わたしはたぶん、恋愛には依存できない。わたしを支えるものは友情かアイドルでなければならない。わたしの湿っぽさや重さを上手くかわしながらわたしを見はなさない友人の愛情か、常に有償で笑顔を振りまいてくれるアイドル。友情は、100人いれば100種の愛情があり、ひとつひとつはかけがえが無く変わりはきかないけれど、それでも全てを一瞬で失ったりはしない。アイドルは虚像であると言う現実と事実の前で、愛情をもらって、成長する場所を与えるような行為だと思っている節がある。さまざまな感情の中には喜びや嬉しさが含まれており、それらを得るためにわたしは時間やお金を彼らに使っている。わかりやすいギブアンドテイクで、いいところは、その愛情を信じる余地があり、けれど決して勘違いはさせてくれないところだ。
わたしはだから多分、恋愛には依存しない。恋愛に依存すると言うことは、たったひとつの不確かな愛情に依存するということ。それはあまりにもリスキーで、それを信じられるほど、わたしは強くもなければ幸福でもないのかもしれない。でも今のわたしはべつに不幸ではなく、むしろ幸福なので、別に恋愛が無くても大丈夫なのだろうなと改めて感じた。
ただひとつだけ、今あの人と一緒にいることは楽しいときのほうが多いし、わたしを自由でいさせてくれるあの人のことを好きだと思う気持ちは、基本的に嘘ではないし常にある。ただわたしが移り気なだけで。ただわたしが我儘なだけで。