今生の別れ

昨日から実家に帰省中。客間にお布団を敷き、母親のマンガを読みながら眠る。電気を消して布団にもぐりこむと、急に感慨深くなってしまう。もうしばらくここには来れなくなるのだ、と考えるとぼろぼろ涙が零れてきた。ここが好きだし家族が好き。特に3回生以降は、年に2〜3回は帰ってきていたので、それが減ると思うと、どうしたって悲しいのは仕方がないと思う。
今日は幼馴染と1年ほどぶりに会う。映画を見てカラオケのいつものコース。距離感やぎこちなさまでいつもどおりで、彼女と話していると、あぁ生き方がまるっきり違うのだ、といつもいつも思う。切った前髪や痩せた身体、彼氏も何にしても、前とは確実に違っているけれど、それはいつものこと。ひさしぶりに会えてよかった。餃子が食べたい、と言うので帰りはそのまま一緒に我が家へ。
ビールと餃子とサムギョプサル。母親と祖母と4人で囲む食卓はなんだか新鮮だった。話も弾むし、わたしはずっと母に言いたいと思っていた事を言えた。面と向かって、感謝の言葉だとか好きだとか言うのはどうしても出来ないのだけれど、彼女がいてくれたので10分の1くらいは言えたんじゃないかと思う。祖母にはすごく感謝しているのだ、と母に告げると、それを祖母に言って上げなさいといわれた。恥ずかしくて言えないというと、じゃあ伝えておいてあげる。と、母のそういうところはとても好きだ。わたしのことを分かっていてくれているのかな、と思わせてくれる。それが本当じゃなくてもいいし、そこでわたしに無理に口を開かせないのは母なりの優しさだと思っていたい。
その後二人で話していて、今生の別れという言葉を出された。母は何気なく使ったのだろうけれど、思わず本当に悲しくなって「また会ってください」と敬語で返した。年末は多分帰ってくると告げると、じゃあ家にいなくちゃね、と言ってくれた。旅費は自分で出すから、一緒に旅行でもいいよ、というと笑っていた。
この家と母と祖母が本当に大好きだ、と思った。